少しぐらい遠回りだって良い
わからないことはわからないままにしておいてもかまわない
僕は水槽の中にポツンと浮かぶ自分の姿を見つめて
自嘲気味にほほ笑んだ
街の喧騒は
今の自分の心の中
どこへ行ってもいい
最初はそうだった
もがけばもがく程重力やスピードが自分を抑えつけた
理不尽なことばかりだ
人間社会で生きてくことは
ただ周りの目は自分が思うより数段厳しい
だけれど数段見えている
あぁそうだった
男である自分が自分の身分を明かさなければ
物語は始まらない
でもいい
何者でもない
影のようにさりげなく
水のように透き通っている